あるいはそれにかこつけた自分語り

ウソツキ開始前にまた最初からやり直しての3周目を終えていたシュタインズ・ゲートですが、
時節的にウソツキPLAYが入ってここで一旦途切れたけれども、
ウソツキがあんまり後引くものもなくサックリと終わったこともあり、
シュタゲの余韻はまだまだ引き摺られてて暫く再プレイ&主題歌ヘビーローテは続きそうな雰囲気なわけで。


ただ、3周目まで終えた&他所の感想やレビューを読んだ上での再評価と
過去の自分の各種の高評価作品のプレイ直後の日記での感想やらを
読み返した上で改めて得られたものを総合して、最終的に『シュタインズ・ゲート』が
自分にとってどういった位置づけになるだろうか大体見えてきた気がするのでその辺のまとめを。


シュタゲや他の上位評価作の多少のネタバレ含むので一応格納
まず一周目クリア直後よりも、その後の複数周回と余韻の咀嚼を経ることで
自分内の作品評価が上昇することは良くあるのだけど、
ラストにそれまでの展開を受け止めた上での大団円で締めて来た部分が
評価の核になってる作品の場合、余韻が残ってるうちはいいけれど、
時間が経ってそれが醒めて来た場合にどうしても相対的な評価が下がりがちで。
カタハネ』『この青空に約束を』『はるのあしおと』辺りが代表かな、
シナリオの良さは勿論、それぞれラストに凝った演出を用意してて
ホント気持ち良くゲームを終えられて余韻が最高だっただけに
クリア直後の感想では歴代ベスト級の評価を付けていたけど
時間と共にその印象が薄れて行くのは避けがたいものが。


逆に自分の中で時間が経過しても作品への思い入れが色褪せないものとしては
単純に面白かった/感動したとかの評価軸とは別に、その作品の「在り様」やテーマ性として
他の作品には独自の、製作者の魂が込められてると感じられるものとか、
作中に現されたその内面描写とかを通じて、深い「人間性」を感じられて、
一線を越える思い入れを持ったキャラクターが存在していた場合。
まぁ、後者の基準が厳しい分、後者を認めた作品は付随して前者も認めがち。
前者の例としてはテーマ性でぶち抜けてる『天使憑きの少女』とか『群青の空を越えて
あの、素晴らしい をもう一度』『ロストカラーズ』辺りの自転車創業作品群とか。
後者は結局そこの部分の比重的にもう私的歴代ベストが上から並ぶだけに近い感もあって
シンフォニック=レイン』『僕と、僕らの夏』『鎖 -クサリ-』『ひまわり』等々で。


んで、ここまでが長い前振りでようやくシュタゲの位置づけに入るのだけど、
一周目クリア時点では純粋にエンタメとしての面白さ自体が評価の中心で、
その時点では面白かったけど作品への思い入れは最上位群には及ばなかったのが
2周目で改めて大団円受け止めた余韻の中で、最上位群と並ぶレベルになって来た
という話を前回までの感想で書いて来たわけで。
んで、上で述べた分類で言うと当然シュタゲはこの大団円での余韻で評価が跳ね上がってる
作品であることは間違いなく、だからこそ未だにこの余韻の残る内に最大限楽しもうと思って
短期間で周回重ねてたという面も。
ただ、その後色々自分内部での思考の紆余曲折を経て、結局自分にとって
シュタインズ・ゲート』という作品が、最も価値を持つ部分は何処かという答えは
「岡部倫太郎」っていう一人の主人公に徹底的に感情移入させられて心を揺さぶられた事にこそあるという結論に。
要所要所でオカリンと同じように悩み・絶望させられ、"無駄ではなかった"事に救われ、
そして最後に抱く未来への希望と全てが報われた達成感・充実感は並ではなく。


これまでの私的歴代ベスト級の作品で、一線を越えた思い入れのあったキャラクターってのは
基本的に深い内面描写のあったヒロインキャラクターであって、男主人公に一番思い入れがあるってパターンは、
BITTERSWEET FOOLS』と『天に高く地に深く』って言う完全に自分のごく私的なコアな部分を
突かれているからこその例外を除くとほとんど無かったんだけど、シュタゲの場合
一番好きなキャラと言うとオカリンを挙げざるを得ず、結果として大団円の余韻に加えて
このキャラクター性への評価が合わさって、最終的に『シュタインズ・ゲート』も
自分の歴代ベスト級作品のひとつであり、今後も極端にその評価が落ちることが無いであろうという結論に。


ただ、他の歴代ベスト級の作品のキャラクター、実質主役の上に自分内部で別格な
冬子@僕夏やトルタ@シンフォニック=レインやら
主人公―ヒロイン間の絶対的な絆の重さと覚悟で私的カップル部門トップの恭介&恵@鎖、
この主人公だからこそヒロインの闇を払えた(陽一の別名アクア殺し)陽一&アクア@ひまわり、
自分にとってのノベルゲーの原点の一つのPhantomの玲二&エレンらと比較すると、
シュタゲの場合紅莉栖も十分好きなのだけど、内面の掘り下げ不足も合って、
あと一歩思い入れが足らなかったかなぁという所。