・「ある日爆弾が落ちてきて」
id:hothotheatな人からトラバで勧められた一冊。
群青の空を越えて」の感想求めて色んなサイトを巡ってる途中に
群青を評価してる人たちも結構褒めてたりするのを見てたのでその意味でも興味あったわけで。
近くの本屋を探して2件目で無事ゲット。


今まで読んだことはなかったけど、ブラックロッドやデモベノベライズの人ということは
知っていたので、もっとダーク路線かと思っていたら、想像以上にライトなノリの作品が
多くて、良い意味で予想を裏切られたかな。サイエンスではないし、センス・オブ・ワンダーでもないけど
すこしふしぎという意味でのSFか。後書き読むまではあんま時間モノで統一されてるって印象は
もたなかったけど、解説の図をみてなるほどと納得。でも時間軸に工夫があるってだけで、
「時間モノ」って単語からイメージするモノとは大分違った印象。だからどうしたというわけではないけど。


んで、各話毎に簡単な感想、初っ端の表題作、「ある日〜」は「あ、そういう方向性なのね」と
この短編集の雰囲気が一発で掴めた感じではあったのでそこは良かったかな。話自体には特に思い入れなく。


「おおきくなあれ」も可もなく不可もなくって感じかなー、大女&小柄男の幼なじみは私的に
空の浮動産」の水華と冬星が最強だからイマイチインパクトに欠けた。


「恋する〜」はループスキー(って程ではないと思うけど)な自分的には、一番微妙ではあった。
つか、ラストは思わず「それ、落ちてねぇだろ」とか突っ込みそうになったし。


「トトカミじゃ」はダントツで個人的ベスト。他はまぁ大体ラストのオチが予想できてたけど
これは、あのまま終わりかと思ってたところに、アレだったのが完全に予想外で
しかもその落とし方が実に綺麗で気持ちよく追われたので凄い余韻が良かった。


「出席番号0番」はキャラは一番好きかもしれなかったけど、設定上仕方ないけど
他の話に比べて登場人物が多くてボーイ・ミーツ・ガール感が薄れて焦点がぼやけちゃった気がしたのがマイナス。


「3時間目のまどか」はベタベタなオチで途中から完全に読めちゃったけれど、それでも
なおこういう話は嫌いじゃないというかかなり好き。


「むかし〜」はタイトル的にも対応してるしこれで締めること想定だよなー。
それまでノーマル時間軸の主人公男とそれぞれひねってあるヒロイン?みたいな形だったのが
唯一男側が決定的なアクション起こす側だし、そう言う意味でもコレがラストであるにふさわしいかな。
とりあえず主人公よりもじいちゃんに燃えた。周囲から評価されてた人の立派な行動は
実は至極個人的な−−それでも本人にとっては凄く大事なーー「理由」があってのものだったと言うのには弱い。
群青の空を越えて」の主人公の親父もそうだけど、あの円経済圏構想の真の目的は結構キタ。

んで、「ある日爆弾が落ちてきて」の総評としては、時間モノというよりかは、
「すこしふしぎ」でボーイ・ミーツ・ガール入ったライトなノリの短編集としてオススメってとこかな。
そんな「凄い」っていった感じのものはないけど、ちょっとした「いいおはなし」って感じで楽しめた。