真実の記憶の在り処

「忘れたいほど悲しい記憶を持った人々が訪れる、白い街。」
「その街で記憶を封じる職業、『封士』を生業にする青年、黒目。」
「黒目のもとに客としてラという少女が訪れる。」
「彼らの日常と、街を訪れる人々との出会い、そして小さな秘密をつづった物語。」


というわけでBITTERSWEET FOOLSっぽい雰囲気があると聞いて気になったので
「TRUE REMEMBRANCE」なるフリーのノベル(選択肢なし)をやってみたわけで。
まず、サイトのキャラ絵見た時点で、絵的にもそれっぽいなーと思ったのだけど、
実際にゲームをやってみると、各話タイトル周りの演出とか、キャラ配置とか
視点の使い方、街の雰囲気とか、本当にBSFを思い起こす感じで。
偶然でこれだけ似たとしたらちょっと信じられないかなって気はするけど、
根本の設定や物語自体は全然別物だし、パクリ云々言うようなものではないかな。
むしろBITTERSWEET FOOLS大好きっこの自分としては、近い雰囲気を持った作品に触れられるだけで嬉しいわけだし。


それで、この作品自体の評価としては、BSFと同様に序盤〜中盤は淡々と綴られる日常描写中心で
こういうのを退屈に感じる人には不向きだろうけど、自分的にはかなり好み。
終盤の展開もそれまでの日常から離れて真相が明かされていく辺りは、序盤から張られていた
伏線の使い方も上手かったし、話にグイグイひきつけられて最後まで読ませる力があった。
なにより、記憶と忘却って言うテーマ故の儚さみたいなのが凄く心に染みたわけで。
BSFっぽさを抜きにしても、個人的にかなり好きになれた作品。
一話20分程度で全8話で総PLAY時間で2〜3時間程度の短編だし、
興味持ったら試しにPLAYしてみて貰いたいところ。


余談だけど、最初ヒロインの名前見たときはどうしても変格活用な某氏と某統計局局長を
思い浮かべちゃってちょっと困った(笑)
まぁ、話を進めていくうちに慣れたし、最後までやると名前の意味もきちんと分かるんだけど。