2007年ベストエロゲー

あんまPLAYした本数ないけど、
その中でもそれなりに『良かった』って思えるのはあったわけで。
日記に感想書いてなかった奴もあるけど、そういうのは簡単な感想込みで




・一位:「カタハネ
この手の群像劇タイプの作品は元から好みなんだけど、
作中を貫く世界名作劇場的なノスタルジックな雰囲気が心地よくて、
CG、音楽、背景が個々のレベルが高い上に、お互いが一体となって
作り出してるこの雰囲気がたまらなく良い。


その上でストーリーも最終章のココ編で全てが明かされ一本に繋がって紡がれた


「一つの物語は終わりを告げ、過去から未来へ― 全ての物語は“ココ”から始まる―」


ってキャッチコピーが正に示す、登場人物達それぞれの、その後の未来に想いを馳せられる
個人的に最高のエンディングで、ホントエロゲにしておくのが勿体無い位の『綺麗』な作品だった。


・二位:「赫炎のインガノック〜What a beautiful people〜」
結局副題が示す内容が全てで、人間賛歌を謳った作品なんだと思う。
10年前の大崩壊を経て、一般的な倫理観や生活が失われて、
残酷で絶望に支配され、人々の死が溢れかえるインガノックという都市においてなお、
どんな困難な状況においても、自分自身の意思を曲げずに、ただ真っ直ぐに
救いを求める者へと手を差し伸べ続ける――――


この主人公のギー先生の最後まで揺らがない姿に心を打たれる。
歴代のエロゲ主人公の中でも個人的にベスト3に入るくらい大好きだ。


エロ薄とか戦闘シーンが思いっきりバンクとかはその手のものを
この作品に求めるのが違ったって事だろうし、フルボイスじゃない辺りは不満もあるけど、
広げた風呂敷や伏線はちゃんとまとめて、一つのテーマを持った作品として
他の作品にはない魅力を抱えた上で、きちんと完成してる所を評価したい。


・三位「ヒトカタノオウ
伝奇バトルではなく、伝奇ゲー。バトルシーンもあるけれど、あくまでもそれはメインではなく、
ストーリーの展開上必要だからはいってるといった感じ。
ヒトと妖、お互いにそれぞれ事情を抱え、相容れない部分があるなか、
全てを救える方法はなく、自分の力で出来ることは限られる中、
主人公が何を選択するかってあたりのバランス感が良かったと思う。
最近の主人公がやたら特別な人間だったり、変な万能感があったりする系は好きじゃなかったので、
あくまでも自分のその時出来る範囲での精一杯を選択する主人公に好感。
皆が救われる大団円のハッピーエンドではなく、寂寥感が残る中も、手にした幸せを守っていく系統の
ENDもこういった系統の作品とは会うと思うし(去年で言うと舞-HiMEもこれ系か)
ただ、キャラ的には一番好みだっただけに咲月ルートがなかったのがとても悲しい。


・四位:「悪魔の迷宮」
フリーゲームで正直CG等の完成度はアレだし、内容もきわめてヒトを選ぶのは間違いないんだけど、
そのダークな造りの中にも、兎に角制作者の持つセンスが光ってる作品。
少女を悪夢から解放する役割を与えられた「あなた」として物語に引き込まれ、
その妥協のない物語の持つ暴力的なまでの力で、
ヒロインのみならずプレーヤーである自分も悪夢と絶望の底で心を抉られた。、

短編ながらも妥協なく創りこまれたとても濃い作品で、受けた衝撃は大きかった。


・五位:「潮風の消える海に
自分的ベストライター早狩氏の地味短編。
短い中にも氏の持ち味は溢れていて、実に感慨深い。
群青のような派手さや、僕夏のような衝撃はなかったけど、
地に足のついた登場人物たちの地味ながらも必死な青春ストーリーは癒しになる。


とりあえず今年発売のゲーム(ヒトカタは本当はDL版が去年なんだけど)
での順位はこんな感じかな。


そして出たのは今年じゃないけど、自分がPLAYしたのが
今年ということで外せないのがもう一つ。


・番外一位:「鎖 −クサリ−」
ということで、上記の一位カタハネをぶっちぎって、
今年PLAYしたという意味ではこれが一位。
感想はすでに日記でいろいろ書いたから今更だけど、
真ヒロインの魅力に尽きる。これに関しては歴代でホントにベスト。
プレーヤーにとって都合の良いキャラクターではなく、裏表も持ち、
自分の意志でもって決断出来、必要と有れば”非情な選択”も
躊躇なく行える強さってのが兎に角最高にツボにはまった。