昨日は思う部分があって、普段と比べてわりと真面目というか硬めの文章で感想書いたけど、
今日は軽い調子でだらだらと昨日書くなかったこととかいくつか。


まず、男女複数の集団+主人公固定でなくそれぞれのキャラの視点で描かれるマルチサイト
って構造の段階で個人的に一番好きな形式をつかれてたわけで。
僕と、僕らの夏」「フォークソング」「BITTERSWEET FOOLS」あたりがこの形式で、
どの作品も客観評価以上に私的思い入れが極めて強く好きな作品。


あとは、前から時々言ってるように、特に大きな事件が起こるわけでもなく、
基本的にはただ人間関係を描くだけで勝負するシナリオってのもツボ。
はるのあしおと」とか「ショコラ」、「パルフェ」もこの系譜かな。
まぁ、ショコラとパルフェは日常描写が楽し過ぎてそっちメインって感もあるけど。


天に高く地に深く』の場合、本当に余分な要素とか殆どなく、純粋にそれだけ攻めてるのが何とも。
三人称視点なしで、登場人物それぞれの視点から語られるため、実際には「人間関係」っていう
相対的なものではなくて、主観的な「他者との距離感」に他ならないってのがまた効いてる。


個人的には、そういう自分の好みをピンポイントで突かれ過ぎてるからこそ高評価してるってのあるけど、
客観的に評価してみれば「名作」と呼べるものではないとも思う。
単にお話として面白かったり楽しかったりするのが秀でてるというわけでもないし、
特に構成が凄いわけでもなく、強く受け手に訴えかけられるだけの力があるわけでもない。
ただ、オブラートにくるまれたりしてない、書き手の思いがありのままの形で現れているだけで、
それをどう受け取るかってのが完全に読み手に任されちゃってる感じ。
自分のやりたいことをやったという点では、いい意味で極めて同人的作品であり、正しいとは思うけど。


まぁ、ぐだぐだ言ってるけど、結局の所結論は、面白いかどうかとか、客観評価とか置いておいて
「自分は凄い好き」ってことに集約されるんだけど。
単に評価って言うことなら、今年のベストは今のところ「パルフェ」っていうのは変わらないけど、
個人的思い入れでは越えてったかなー。つーか、冬子さんとトルタへの感情移入とカタルシス
爆発力のおかげで僕夏とシンフォニック=レインがぎりぎりまだ上回ってるだけで、
飛び道具無しでナチュラルにここまで好きな作品が他にないレベルだし。


あと、即効でトラックバックされててちょっと驚いたけど、マガツさんが早速体験版PLAYしてくれたみたいで
面白いとかでなく、「惹かれる」って感想言われてるのが、やっぱりそうだよなーって感じだ。
随分気に入られたみたいだし、本編プレイされるのを期待しよう。とりあえず容量は600M 弱くらいですよ、と。
今回は割と本気で布教したいというか、少なくても体験版は色んな人にやって貰いたい。
面白いとかそういうのじゃなくて、この作品からしか得られない「何か」と触れられる機会なんじゃないかと思えるから。