2005年ベストゲーム

まぁ、そんな感じで捻りもなく。
今回は相原さんとこではやられないようなので、
日記で適当に。勿体ぶるもんでもないので一位から
順位は客観的な作品評価ではなく、あくまで自分の思い入れ主体ってことで


・一位「天に高く地に深く(公式)
群青とどっちを一位にするか最後まで迷ったけど、同人故に可能となるエンターテイメントではなく、
オブラートにくるまれたりしてない、書き手の思いがありのままの形で投影された作品作りを最大限に評価。
どこまでもしっかりと地に足のついた描写がなされて、フィクションらしさが極限まで少なく、
「等身大」の人間味が感じられる登場人物達。そしてありふれたものかもしれないけど、
それ故に現実味のある、悩みや想い行動に共感やある種のうらやましさを感じ、心に残るものが非常に大きかった。
有り体に言ってしまえば、評価はともかく「心の底から凄く好き」な作品
詳しい感想は http://d.hatena.ne.jp/arsyu/200505 らへん参照


・二位「群青の空を越えて
歴代私的ベストの片割れ「僕と、僕らの夏」の早狩氏の新作&舞台がもろ地元っつーことで
発売前から期待が非常に大きかったわけですが、予想と若干違った部分はあったものの
実際その期待以上のものを見せてくれた作品なので当然評価も高く。
戦争という特殊な舞台を用いながらも、きっちりと登場人物達の心情描写と
人間ドラマで魅せてくれた所が良かった。
萩野憲二ってキャラクターの造形や円経済圏の真の姿はトンデモ設定だとしても、
作中の世界においてそれを信じその実現に想いを馳せられただけである意味こっちの完敗。
これも商業ベースで発売できたのが不思議なくらいライターがやりたいことをやった作品だろうし、
そういう部分も評価してるけど、結局登場人物への思い入れの点で「僕と、僕らの夏」を越えられなかったのが残念。


・三位「NaturalAnotherOne 2nd -Belladonna-」
作品カラー的に色々とアレなんで日記に詳細感想載せるのは躊躇ってたんだけど
まぁ、今年のベストあげるならやっぱり外せないなと言うことで感想書いとく。
私的に今年一番のダークホース的作品。誤解を恐れずに言っちゃえば
今年のゲームでPLAY中に一番楽しかった作品挙げるなら間違いなくコレ。


完全にノーマークだったんだけど、邪悪ヒロインスレの書き込みに興味持って購入。
邪悪方面でもそれ系のENDとか、選択肢や行動でヒロインの殺意パラが上下する様を
眺めたりとか十二分に堪能できたけど、それ以上に主人公のキャラクター造形が最高だった。
真性のサディストで常識的なモラルに欠け、自己中心的な所もある癖に
人と人の繋がりを信じて、それを大切に想い、ヒロインとの純愛を貫き、
大事な人達の為になら命を掛けることも厭わない。
と、まとめて書くとワケ分からない行動してそうだけど、そういった主人公像が
作中で実に自然に表現されているのが上手い。
そして重要なのが、その主人公の性質が基本的に最初から最後までぶれたり変質したりせずに貫かれてる点。
軽々しく改心させたりしないで、結局最後まで主人公はサディストでヒロインを調教してるような
変態のままなのにしっかりと純愛を描いてるところが凄い。
そういう主人公だからこそ(自分に殺意を抱いてたりする)邪悪ヒロインをその邪悪さも含んで
相手を丸ごと愛せるわけで、この主人公あってこそのこの作品と言える。
普段は作品の評価はほぼシナリオ一点で決まって他の要素はシナリオ持つ力を伝えるサポート的なもの
としての評価が中心だけど、複数ライター性でありながらこれだけきちんと貫かれた主人公像を維持して
この作品を作り上げた制作チームのセンスは最大限に賞賛したい。


・四位「パルフェ 〜ショコラ second brew〜」
この位置に甘んじてはいるけど、客観的な作品評価では今年の作品では断トツで
コレを一位に推すというか、歴代でもその完成度は最高クラスの作品だと疑いなく思ってます。
ただ、欠点を極力なくし、あくまで「普通」の物語としての完成度を高めた作品では
如何せんインパクトの点でどうしても不利で、思い入れ評価だと結局この位置に。
里伽子シナリオとか伏線の使い方と、エンドへの流れとか単なる完成度の高さ以上に
評価できるところも有るんだけれど、結局個人的なキャラクターへの思い入れの差(萌えと言ってもいい)
で香奈子さんを越えられなかったって点でショコラに敵わなかったのも大きく


・五位「羊の方舟
全編通して重くて鬱々した沈んだ雰囲気が貫かれて、正直読んでて楽しい作品では全くなくて、
人の持つ暗い面とかに焦点があたってシンフォニック=レイン以上に人を選びそうな作品。
作品全体として見ると設定の穴とか、ラストの落とし方とかに不満の残る部分もあるけど、
個人的感想で言えばウォルシュ編のあのシーンの衝撃のためだけでもこの作品に触れた価値があったとは思えた。
ウォルシュ編ではその後も予想を越えた展開を見せてくれたし、3組のストーリーの内ウォルシュ編だけでも満足。
まぁ、ウォルシュ編の面白さはその9割以上がシャオリーのお陰ではあるっぽいけど。
つーか今年の作品でベストヒロイン賞与えるとするとシャオリーが一番だなー。
キャラ萌えや感情移入でなしにそう思えるってあたりが凄い。


基本的に本編の半分以上はWeb上で無料で読めるんで、この雰囲気が合うようなら
試しにそこだけでも読んで貰いたい所だ。ウォルシュ編の最大の衝撃はWeb公開分の中にあるから、
そこまでで気に入ったなら本編買っても損しないだろうし。


・六位「単彩綺劫」(公式)
欠点は一杯あるけど、ラストバトルの盛り上がりで全部帳消しにしても良いと思った位に
ラストバトルのシチュエーション、演出が自分好み過ぎだった作品。
闘う相手とその理由・状況がまず私的にツボ過ぎる(お互いを大事に思う同士の覚悟の上の殺し合い)のに加えて
対峙→主題歌バックに語らい→戦闘開始→ラストバトル専用曲のコンボでノックアウト。
あとは戦闘時のテキストでも、主人公の思考に対する「Ja--」or「Nein」の掛け合いが疾走感高くてべらぼうに燃えた。
総合評価だと点数落とさざる得ない部分はあるけど、ラストバトルの燃えっつー一点に置いて全てを突破した
一点豪華主義的な作品。この部分だけなら私的に燃えゲー部門で歴代トップかもしれない。


とりあえずこんな所までで。他にも良くできてとは思ったり、費やした時間とお金以上は楽しめた作品はあるけど、
単にエンターテイメント作品として消費して楽しんだという以上に、
PLAYを終えた後に自分に残った何かがあった作品だとこの辺りかなと言うことで。